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NYの視点:ドラギECBはユーロ安にゴーサイン

2014/8/8 7:02 FISCO
*07:04JST NYの視点:ドラギECBはユーロ安にゴーサイン ドラギECB総裁はユーロに圧力を加えることに成功した。前回の会合時に比べユーロ高が一段落したため、為替に関する言及は「金融政策の目標とならない」との言及にとどめるとの観測もあった。ユーロ・ドルは5月に2011年以来の高値となる1.40ドル手前まで上昇後、下落基調にある。しかし、ドラギ総裁は8月の定例理事会において最近のユーロ安に満足していることを表明しただけでなく、ファンダメンタルズが引き続きユーロ安方向にあると述べ一段のユーロ安を容認する姿勢を示した。ユーロ安要因として、1)ユーロ圏の実質マイナス金利は米国よりも長く続くこと、2)欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策は長期にわたりかい離することを挙げた。 欧州中央銀行(ECB)は新たな措置を導入することは当面できない。6月の理事会で欧州中央銀行(ECB)が導入した積極的な追加緩和(マイナス預金金利、的を絞った長期資金供給オペ(TLTRO))の影響を判断するには時間がかかるため。しかし、ユーロ圏の景気回復が停滞していることが明らかになりつつある。イタリアの4-6月期国内総生産(GDP)は予想外にマイナス成長に落ち込み再びリセッション(景気後退)に逆戻りした。ユーロ圏で最大の経済を持つドイツの4-6月期経済も2012年10-12月期以来のマイナス成長に落ち込むことが予想されている。加えてウクライナ情勢の悪化で対ロシア制裁が地域経済を更に損ねる可能性が警戒されている。ロシアが強硬方針を転換しなければ制裁がさらに強化される可能性も除外できない。 デフレ懸念も浮上。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表したユーロ圏の7月消費者物価指数速報値は前年同月比0.4%の上昇と2009年10月来の低水準となった。イールドカーブは「日本化」を示唆しているとの指摘も少なくない。ドイツの10年債利回りは過去最低水準、2年債はマイナスの領域に再び戻った。対応が遅れると長期のデフレに陥る可能性も出てくる。ドラギECB総裁は、現在のところ最近のインフレの低下が短期的でエネルギー価格の下落が主因であるとし、いずれ2%の目標に向けて上昇するとの見通しを変えていない。 ユーロ安はユーロ圏の経済やデフレ回避を支援する。ドラギ総裁が率いるECBは当面ユーロ安政策を維持していくことになる。ストラティジストはユーロ・ドルで、とりあえず1.30ドルを目指す動きと見ている。 《KO》