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スターティア Research Memo(2):2016年3月期は増収減益で着地

2016/6/28 15:39 FISCO
*15:40JST スターティア Research Memo(2):2016年3月期は増収減益で着地 ■2016年3月期決算の分析 スターティア<3393>の2016年3月期決算は、売上高10,171百万円(前期比17.1%増)、営業利益503百万円(同32.6%減)、経常利益544百万円(同38.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益253百万円(同57.3%減)と増収減益で着地した。同社は第3四半期決算時に通期の利益見通しを下方修正したが、それに対しては若干上回った。 セグメント別では、ウェブソリューション事業は売上高1,837百万円(前期比10.0%減)営業利益12百万円(同96.5%減)、ネットワークソリューション事業が売上高2,818百万円(同27.0%増)、営業利益183百万円(同9.3%減)、ビジネスソリューション事業が売上高6,879百万円(同35.4%増)、営業利益452百万円(同94.4%増)となった。また、2016年3月期に新設されたその他事業(ベンチャーキャピタル事業)は、売上高は計上がなく、営業損失が66百万円となった。 2016年3月期の全社ベースの営業利益は前期比244百万円の減益となったが、そのうち、ウェブソリューション事業の営業利益は同346百万円の減益となった。このように、2016年3月期の業績不振は、ウェブソリューション事業における収益の伸び悩みが主たる原因と言える。同事業は自社開発ソフトやクラウドサービスが主力商品であったため利益率が高い事業であったが、売上高が伸び悩んだことで、歯車が逆転して利益が急減した。 ウェブソリューション事業の不振の原因は、主力商材の電子ブック作成ソフトActiBookと、ARサービス「COCOAR(ココアル)」の2商品の販売が計画を大きく下回ったことが原因だ。その原因は明確で、どちらもターゲット顧客層がこれまでのアーリーアダプター層(新しい技術を積極的に導入する顧客層)からマジョリティ層(周りの様子を見て導入する顧客層)へと移行したことに対する対応ができていなかった点にある。 ActiBookは、大手企業を始め中堅・中小企業まで導入実績が2,493社(2016年3月末現在)に達し、電子ブック作成の分野ではデファクトとも言える存在だ。COCOARも導入社数は1,000を大きく超えており、ARサービスの分野では日本ではトップとみられる製品だ。このようにアーリーアダプター層の需要が一巡して、今期からはマジョリティ層がターゲット顧客の中心を占めるようになってきていた。一般にマジョリティ層はアーリーアダプター層に比べて技術への知見が低く、また、導入の意思決定においてもより慎重だ。したがって営業担当者はこれまでとは違った営業スタイル(資料、説明のポイントなども含め)が求められることになる。 しかしながら、同社の営業担当者の半分近くを新人と入社2年目が占めるという現体制では、そうした変化への対応が十分にできなかった。こうした状況は第1四半期から既に見え始め、対策を打ったものの解決に時間がかかり、第3四半期まで続いてしまった。第4四半期にはCOCOARやO2OマーケティングツールのAppGooseなどが改善を見せたが、第3四半期までの低迷を補いきれなかった。 ネットワークソリューション事業は、セキュリティ関連商材を中心に、マイナンバー対応やネットワーク構築案件が好調に推移した。増収にも関わらず営業減益となった理由は、ホスティングサービスのセキュリティ強化のための投資や、クラウドサービスのバージョンアップのための投資によって費用が増加したことによる。 ビジネスソリューション事業では、機器販売及びカウンター収入が堅調に推移したほか、(株)エヌオーエスの株式を49%取得して子会社化したことで、売上高が大きく伸びた。利益面では、NTT<9432>東西会社の「光コラボレーション」開始を受けてローンチした「スターティア光」が順調に販売を伸ばしたことに加え、全般的に“重ね売り”(ある商品の既存客に関連商材や新商材を販売すること)が好調に推移したことが、利益倍増につながった。 「その他事業」は2016年3月期において新設された。内容はコーポレートベンチャーキャピタル事業で、第1四半期からスタートした。これはキャピタルゲインの獲得を目的に投資事業を行うもので、新設のコーポレートベンチャーキャピタル事業推進室(CVC室)が担当している。2016年3月期中の実績としては、勉強ノートまとめアプリ「Clear(クリア)」を開発・運営しているアルクテラス(株)にリードインベスターとして出資したほか、児童創作物共有サイトの開発・運営を行うCreateubblesにも出資を行った。初年度ということで売上高はなく、営業損失66百万円を計上した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《RT》
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