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NYの視点:ドラギECB総裁、QEの決断が迫られる状況

2014/8/15 7:02 FISCO
*07:04JST NYの視点:ドラギECB総裁、QEの決断が迫られる状況 ユーロ圏経済の回復停滞や物価の低下がより鮮明となった。ユーロスタット(EC統計局)が発表したユーロ圏の4-6月期域内総生産は前期比で横ばいとリセッション(景気後退)時以来の低い伸びに落ち込み「トリプルディップ(3番底)リセッション入りの軌道にある」との懸念も浮上。ユーロ圏経済の中で最大20%を占め牽引役のドイツや第2位のフランス、3位イタリアの景気低迷が大きく響いた。 連邦統計局が発表したドイツの4-6月期国内総生産(GDP)は前期比で0.2%減と、技術的なリセッションに陥った昨年1-3月期以来のマイナス成長となった。ドイツの10年連邦債利回りは一時、歴史上初めて1%を割り込んだ。フランスの4-6月期GDPも2四半期連続でゼロ成長を記録。4位のイタリアの4-6月期GDPは予想外にリセッションに後戻りした。フランスやイタリア政府は緊縮財政の影響やユーロ高を理由として挙げている。統計局は特に輸出の鈍化による影響を指摘。ドイツやフランスの企業は最近の決算で、3年ぶりの高水準となっているユーロ相場の影響を指摘している。 ■4-6月期国内総生産(GDP) ユーロ圏:前期比0.0%、前年比+0.7%(前年比予想:+0.7%、1-3月期:+0.2%、+0.9%) 独::前期比-0.2%、前年比+1.2%(予想-0.1%、+1.4%、1-3月期+0.7%、+2.3%) イタリア:前期比-0.2%、前年比-0.3%(予想+0.1%、+0.1%、1-3月期-0.1%、-0.4%) フランス:前期比0、前年比+0.1%(予想+0.1%、+0.3%、1-3月期0、+0.8%) 欧州中央銀行(ECB)は6月の定例理事会で追加緩和に踏み切ったほか異例措置となるマイナス預金金利政策の導入などを発表した。しかし、ユーロ圏の7月消費者物価指数確定値は前年比0.4%上昇と、マイナスとなった2009年10月以来で最低の伸びにとどまり、デフレ懸念も強まっている。今後も、インフレの低下が続くと、ドラギECB総裁は米連邦準備制度理事会(FRB)型の量的緩和(QE)の実施に踏み切る決断を迫られる。ドイツの低成長を受けて、QEに反対しているドイツ連銀の姿勢が緩和する可能性もある。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の前最高経営責任者(CEO)、モハメッド・エラリアン氏は9月または10月の定例理事会において欧州中央銀行(ECB)がQEに踏み切ると見ているようだ。 8月恒例のイベント、ワイオミング州ジャクソンホールで米カンザスシティ連銀が主催する金融・経済シンポジウムで22日に予定されているドラギ総裁の講演に注目が集まる。ただ、欧州の国債購入の決定は米国、日本、英国のように容易ではない。同時に、ドラギECB総裁は引き続きユーロ高是正の口先介入を強いられると考えられる。市場のユーロ売りポジシュンが膨らんでいるのは確か。しかし、ユーロは下落基調にあり対ドルで、1.3250ドルや1.3000ドルを目指す展開が予想される。 《KO》