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10連休終了後も円高回避となるか【フィスコ・コラム】

2019/5/5 9:00 FISCO
*09:00JST 10連休終了後も円高回避となるか【フィスコ・コラム】 今年のゴールデンウィーク(4月27日-5月6日)が始まる前の時点で、「連休中に為替相場が円高方向に振れる」と予想していた投資家はそれなりにいたようですが、市場参加者の間からは「円高進行に対する警戒の度合いは例年よりも弱かった」との声が聞かれました。今年は皇位継承を伴う過去に例がない大型連休(10連休)となりましたが、これまでのところ(4月29日から5月3日までの期間)、ドル・円の値幅は1円未満に収まっています。 過去のGW期間中のドル・円の値動きを振り返ってみると、この10年あまりでは2013年、2017年以外は円高に振れる傾向があり、市場関係者は毎年のように警戒を強めていました。特に、ギリシャ・ショックによるユーロ圏への影響に懸念が強まった2010年は、GW期間を挟んで約7円も円高が進みました。そのことによって「GW=円高」のイメージが強まったと思われます。 財務省の浅川財務官は4月19日、10連休中に為替相場の変動が高まった場合に備え、日銀などと対応を協議。2019年は年初にドルが104円台に急落した経緯もあり、連休中ではあるものの、政府・日銀は平日と同じように市場をウォッチする構えです。現時点でもこの状況は変わっていませんが、金融市場は大きな混乱に直面することなく、史上初の10連休は終了しつつあります。 ところで、4月上中旬以降のドル・円相場は、「底堅い」「上値が重い」のどちらとも言える相場展開が続いています。特に第3週(15-19日)は、欧米やアジアの主要国がイースター休暇による休場のせいもあり、112円10銭台と111円60銭台の、歴史的にも狭いレンジ取引となりました。目先は110円台、113円台のどちらを目指してもおかしくない状況です。そこでGW後の相場見通しを複数の市場関係者に聞いてみました。 ある外為市場関係者は「米利下げ観測の後退で円急騰は想定しにくい」と指摘しつつ、仮にそうなっても「冷静沈着に対応する」と自信を見せています。別の市場関係者は、「米国内のインフラ整備で2兆ドル規模の財政支出について共和党と民主党が大筋で合意したことは重要な動き」と指摘しています。米国の政治不安が急速に高まるリスクは当面なくなりそうな気配があるため、金融市場は過度のストレスを受けることもなくなり、市場の安定性は高まるとみられています。また、一部では「景気減速など懸念が急浮上してもドル買いに振れるため、円高一辺倒にはならないのではないか」との見方もあります。市場関係者の間では、連休終了後に為替相場はややドル高方向に振れる可能性が高いとの見方が多かったようです。 しかし油断は禁物。韓国軍合同参謀本部は4日、「北朝鮮が同日午前9時6分ごろから、日本海に向けて飛翔体を数発撃った」と発表しました。韓国軍は当初、発射されたのは短距離ミサイルであると述べていましたが、その後「飛翔体」という表現に変えました。ほぼ同じタイミングで米国側もこの動きを察知していたもようです。報道によると、北朝鮮のミサイル発射は、2017年11月29日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星15」を発射して以来となるそうです。平穏だった大型連休中の為替相場が北朝鮮の行動によって波乱に満ちた相場展開となるのか、あるいは限定的な市場反応にとどまり、平成から令和への時代の変わり目を無難に乗り切ることができるか、連休明け後の相場展開から目が離せない状況になりそうです。 ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《SK》