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【フィスコ・コラム】よっ!大統領っ!
2017/1/22 7:00
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*07:00JST 【フィスコ・コラム】よっ!大統領っ! 米国史上最も不人気なトランプ新大統領の就任を国内の有権者は苦々しく思っているかもしれませんが、世界では心待ちにしていた人々もいます。特に、ロシアではプーチン大統領に友好的とみられる風変りなリーダーの登場で米ロ両国の関係改善に期待が高まっていることでしょう。通貨ルーブルの値動きにはそんなロシアの思惑を反映しているようです。 ロシアルーブルは昨年11月8日の米大統領選の結果を受け、1ドル=64ルーブルから66ルーブル台まで急落したものの、その後は上昇基調となり12月に入るとさらに騰勢を強めます。11月末から12月にかけての主要産油国の協調減産合意により原油相場が持ち直したことが主要因とみられます。ロシア経済にとって原油価格とルーブルの上昇は原油輸出には不利に働く面もありますが、税収効果を考えれば現在はメリットの方が大きいといえます。1月10日に世界銀行が発表した2017年の世界経済見通しの中で、ロシアはマイナス成長からプラスに転じると見込まれています。 ロシア市場では通貨だけではなく株価も堅調地合いとなっているようです。原油高もさることながら、トランプ氏がプーチン大統領との緊密な関係の構築を望んでいるもようで、今後の米ロ関係改善への期待が高まっているためだと思われます。プーチン氏と親交のあるエクソン・モービルCEOのティラーソン氏を国務長官に起用するなど、オバマ大統領とはまったく違う政策を進めることで両国関係を劇的に変えるかもしれません。ことによってはウクライナ問題めぐる欧米の経済制裁が解除される可能性もあります。 もちろん、政治家としての経験のないトランプ氏の対ロ外交が実際にどうなるか、不安はいっぱいです。1月11日の当選後初の記者会見では、大統領選でクリントン氏に肩入れしていたニュース専門ケーブルテレビ局を「偽ニュース」呼ばわりして質問には答えないなど、超大国のトップとは思えない幼稚な振る舞いが目立ちました。トランプ氏のこの会見後にドルが売られたのは「具体的な経済政策への言及がなかったから」(市場関係者)ではなく、新しいリーダーの「知性学」リスクによるものだと推測しています。 こんな大統領でアメリカは大丈夫なのかとの疑念が強まれば、米国の株や債券、通貨は長期的に売られるでしょう。トランプ氏は選挙期間中にこれまでのドル高政策を批判していましたが、わざわざ望まなくても自身の大統領就任によって自然にドルが売られる状態になるのではないでしょうか。米国から逃げていくマネーは、米国を裏で操ろうとするロシアに流入する可能性もあります。ロシアが米大統領選にサイバー攻撃を仕掛けたのだとしたら、リスクを冒した甲斐はあったと言えるかもしれません。 前政権の政策をひっくり返すと公言してはばからないトランプ氏を、退任するオバマ氏がけん制するなど、これほど殺伐とした新旧大統領の交代劇は珍しいことです。米国は現在、国論が割れているというよりも国家としての連続性が断ち切られ、対外的にも付け入る隙をさらしてしまっています。狡猾なプーチン氏がこうした状況を見逃すわけはありません。国際政治では永遠の敵である米国からマネーだけでなくパワーまで奪い取るチャンスが訪れているのですから。 (吉池 威) 《MT》
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