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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆前ノメリの空売り相場◆

2018/4/1 9:40 FISCO
*09:40JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆前ノメリの空売り相場◆ 〇売り方優勢の展開も、行き過ぎ修正余地〇 23日の東証空売り比率は驚愕の50.3%、初の50%大台乗せと なった。東証一部の5%超値下がり銘柄数は393銘柄(一時は 500に迫った)、値上がりは29銘柄のみ。銘柄数は異なるが、 東証2部の5%超値下がり銘柄数は92、値上がり33銘柄と比較 すると、ある程度流動性のある銘柄を片っ端から売った印象だ。 日経平均の値下がり率4.51%に対し、TOPIX3.62%。先物の売 り込みやすさが差を生じさせた観がある(ちなみに東証2部の 下落率は2.74%)。 ドル建て日経平均終値は196.56ドルまで下落。ドル円が104円 台に 入ったので、日銀ETF購入4連投、今月9回目の出動も焼け 石に水の印象だった。 ただ、材料的には売られ過ぎの感がある。ポイントは以下。 1)日本の鉄鋼輸出は17年3813万トン、前年比7.5%減。うち  米国向けは187万トン、同9.3%減。数量ベースでは全体の  4.9%。品目別の情報はないが、高級鋼材で対象外になるも  のもあるのではなかろうか。政府やメディアが「大変だ」と  騒ぐのは分かるが、市場は本来なら冷静に対応するハズ。 2)中国の報復が懸念されているが、今のところ出てきたのは  ドライフルーツやワインなどに15%、豚肉製品などに25%関  税で、総額30億ドル規模。楼継偉元財政相が「私ならまず大  豆を先に叩く」と語ったと報じられているが、中国の大豆生産  は既に危機的状況にあり、2月から米輸入制限措置検討と報じ  られていた。15年の数字だが、輸入量は8000万トン、中国生産  量は1235万トン、国内消費は5225万トンで約4000万トンがダブ  つき、1/3を占める産地・黒竜江省の不況は深刻。米国債売却の  思惑も出ているが、果たして人民元相場を維持できるか。矛盾  を抱えながら、手を打って来られなかった中国の弱みがある。  言葉の応酬とは裏腹に、中国の強腰には不透明感があり、対日  微笑外交姿勢を強める可能性も考えられる。 3)2月のタイ自動車生産が前年同月比15%増。日本車のウェイトは  分からないが、輸出向け13%増、国内向け18%増。日本企業の東  南アジア展開が軌道に乗っている代表事例と考えられる。米国の  高関税攻勢が一段とエスカレートしても、09年辺りから拡充して  きた米国拠点(ドル安なら輸出拠点にする試みも行われている)、  東南アジア拠点の拡大効果があり、かつての貿易摩擦とは異なる。 4)米株が急落しているが、中国から製品輸入代表のアップル、中国  製品販売のウォールマートが騒がれていないのは何故か? まとまって空売る銘柄(東芝、シャープなど一時2億株超)が無くな り、現在の空売り残トップは三菱UFJの7668万株(22日現在)。 それだけに、広く浅く売られ、回転の動きも早いと見られる。買戻し 局面を交えた展開が想定される。ただし、戻りの鈍さは売り直しの機 会となるので、神経質な綱引きが予想される。 為替が不透明だが、当面の目安は、ドル建て日経平均200ドル×ドル 円105円±2.5円=21500~20500円ゾーンの維持と考えられる。 以上 出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(18/3/26号) 《CS》