マーケット
7/30 15:15
38,525.95
+57.32
40,743.33
+203.40
暗号資産
FISCO BTC Index
9/20 1:57:09
17,211,791
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(4):◆6月値上げの攻防◆

2017/6/4 10:15 FISCO
*10:15JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(4):◆6月値上げの攻防◆ 〇インフレ強弱、方向感に戸惑い〇 5月31日現在の業種別株価指数を見ると、前月比騰落率(TOPIX+1.86%)は18業種がプラス、15業種がマイナスだった。プラスで突出したのは、任天堂効果の大きい「その他製品」+11.11%、2位が「食品」+7.85%、3位がソフトバンク効果の「情報通信」+6.24%。なお、マイナス1位は「石油・石炭」の-4.02%。 突出した牽引役が見当たらない「食品」の上昇は、値上げ効果、あるいは輸出拡大を期待してのものと考えられる。ディフェンシブセクターとしてよく一緒に買われる「医薬品」が+1.03%、前年比マイナス圏に止まっているのと対照的だ(医薬品は医療費抑制、薬価引き下げの圧迫がある)。 「6月値上げラッシュ」として、バター、小麦粉、安売り規制のビール、はがき、タイヤ、電気、ガス、運送費などがある。また、「和食ブーム」の流れで、日本製食品の輸出増が期待されている。カルビーが中国電子商取引最大手のアリババグループと組み、8月から越境ECサイトでシリアル商品「フルグラ」の販売を開始すると発表。2-3年で日本市場並みの年300億円規模を目指す。話は小さいが、群馬県は16年度の県産農畜産物の輸出が9億8880万円、前年度比1.2倍、過去最高になった発表した。中国産に押されてきた特産のコンニャク(とくにEUで、「パスタ代わりにしらたきを食べる」と言われる)、和牛の拡大による。 4月の消費者物価指数は+0.3%、反面、全世帯実質消費は-1.4%と、消費のせめぎ合いが続いている。製品値上げと賃上げの好循環で「デフレ脱却」が出来るかどうか、重要な綱引き局面にあると考えられる。これはレベルの差はあれ、世界的に共通の流れで、いわゆる「出口戦略」に向かっての過渡的局面にある。1-3月は前年比で原油上昇の効果が大きく出たが、4-6月は原油相場のもたつきで、早くも効果が剥げ落ちている。米利上げシナリオにも大きく影響すると思われるが、昨日はベージュブック(地区連銀報告)で物価上昇圧力の弱さが指摘され、米10年物国債利回りは再び2.2%割れの攻防となっている(その割には株式や為替は波乱とならなかったが)。投機筋がインフレ率低下を見越して動いていると思われるだけに、当面の焦点となろう。 以上 出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/6/1号) 《CS》