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マヨ値上げや機関調査に思うこと、日本株の立ち位置

2021/7/15 12:18 FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)] 日経平均;28343.83;-264.66TOPIX;1946.37;-16.79 [後場の投資戦略]  前日のNYダウは金融緩和の長期化観測を支えにプラスとなったが、本日の日経平均はこうした流れが追い風にならず、軟調な展開となっている。ナスダック総合指数が下落したためわかりにくいが、米株の物色の方向感としては主力ハイテク株へのシフトが意識されているという。実際、アップルは+2.41%、アルファベットは+0.83%、マイクロソフトは+0.54%などとなった。 また、ナスダック総合指数の押し下げ役となったのは半導体関連株であり、これでは日本株への追い風を期待しにくい。それに、五輪開幕を目前に控えた東京で新型コロナ感染者数が増加しているのも海外投資家や個人投資家の警戒感を強めているのだろう。ここまでの東証1部売買代金は1兆円に届かず低調。新興市場ではマザーズ指数が-1.38%と反落しており、東証1部のレノバ<9519>やイーレックス<9517>を見ても個人投資家がリスク回避目的で手仕舞い売りを出していることがわかる。  さて、以前当欄でも触れたが、7月からマヨネーズが値上げされ、買い物から戻ってきた妻は「ストックしておけばよかった」などと20分近く愚痴をこぼしていた。およそ平均的な世帯年収で暮らす筆者(都内在住者としては平均以下かもしれない)の家庭にとって、この値上げの影響は決して小さくない。将来的な所得向上の期待が持ちにくいならなおさらだ。オピニオンリーダー諸氏がおっしゃるような「コロナ禍が終息すれば消費が盛り上がる」などといったことは遠い国の話のようである。  米国でも13日発表された6月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比+5.4%、また14日発表されたPPIが+1.0%となり、ともに市場予想を上回った。ただ、これをもって「消費の基調が強い」などと捉える向きは限られるようだ。コロナ禍によるペントアップ(先送り)需要や供給制約は一時的なものだろう。とはいえ、緩和マネーに資産・商品価格が押し上げられる形で最終製品の値上げ、住宅関連費用の増加等は着実に進んでいる。これが平均的な世帯の消費マインドにどのような影響をもたらすか、筆者の家庭でのやり取りをご覧になればよくお分かり頂けると思う。  ファーストリテ<9983>傘下のユニクロとジーユー(GU)は3月、総額表示(消費税込みの価格表示)への切り替えに際し実質値下げに踏み切った。その後のファーストリテの株価が軟調に推移しているのは、全体のトレンドに反しての値下げを市場が理解しづらいことも多分に影響しているだろう。しかし、同社や柳井正会長兼社長のこれまでの経営実績、それに全国の店舗網からリアルタイムでPOS(販売時点情報管理)データを得られる強みを考慮すれば、この値下げは下手な経済分析より消費マインドの基調を的確にとらえていると考えられる。ちなみに筆者はもうここ数年、衣料品はGUとしまむら<8227>でしか購入していない。安価なプライベートブランド(PB)商品を提供するイオン<8267>、外食で重宝するサイゼリヤとともに、もはや貴重なライフラインである。  そういえばいずれも今回の決算は良好だった。本日発表予定のファーストリテはさすがに値下げの影響が大きいだろうが、株価には織り込み済みとみられる。  いまだに経済の先行きに強気の解説も多いが、機関投資家も徐々に慎重姿勢に傾いているようだ。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の7月のグローバルファンドマネジャー調査によれば、世界経済の回復が進むと予想する回答は47%だった。ピークだった3月調査の91%と比べると低下は鮮明で、「リフレトレードのピークは3月だった」という当欄での筆者の見解と整合的だ。日本株の景気敏感色の強さを考慮すれば、日経平均が2月高値30714.52円(取引時間中)をとらえられないのも当然である。  もう1点付け加えると、6月にかけてのトヨタ自<7203>のラリーに留飲を下げた日本株関係者が多かったが、むしろ日経平均に近い値動きで2月に高値を付けているのは日産自<7201>だ。「最強」トヨタ自は日本企業全体としてはイレギュラーな存在なのである。手元の端末で株価純資産倍率(PBR)はトヨタ自1.1倍台に対し、日産自は0.5倍台。日本株がグローバル投資家からどのように見られているのか、冷静に受け止める必要がある。(小林大純) 《AK》
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7201 東証プライム
413.5
9/4 15:00
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自動車大手。仏ルノー、三菱自と3社連合を形成。EV展開で先行。24.3期3Q累計は中国の競争激化。だが半導体不足解消を受けて中国以外で販売を伸ばす。値上げ効果も出て増収増益に。ホンダとEV分野で提携検討。 記:2024/04/12
7203 東証プライム
2,674
9/4 15:00
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8227 東証プライム
7,765
9/4 15:00
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時価総額 573,267百万円
総合衣料品店「ファッションセンターしまむら」を運営。低価格の衣料に強み。若者向け業態「アベイル」やベビー業態「バースデイ」等も。27.2期売上高7190億円目標。高価格帯商品の拡充などブランド力向上図る。 記:2024/05/06
8267 東証プライム
3,719
9/4 15:00
+69(1.89%)
時価総額 3,242,689百万円
流通大手。総合スーパーを軸に食品スーパーやドラッグストア、金融、不動産などを展開。アセアンなどアジアでも事業展開。連結配当性向は30%目標。ヘルス&ウエルネスの進化、アジアシフトの加速等に取り組む。 記:2024/05/06
9517 東証プライム
761
9/4 15:00
-60(-7.31%)
時価総額 56,600百万円
相対や取引所を通じて調達した電力を小売販売。自社でバイオマス発電所も。大口の高圧顧客伸ばす。逆ざや販売も解消。ベトナムなどアジア諸国で発電所建設へ。JFEエンジ等4社引受先に第三者割当増資し財務改善。 記:2024/08/26
9519 東証プライム
1,007
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-60(-5.62%)
時価総額 91,783百万円
再エネ発電所を開発・運営。太陽光を軸にバイオマス、洋上風力発電事業も。小規模分散型の太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加。東京ガとの間で資本業務提携、第三者割当増資で資本増強。 記:2024/08/26
9983 東証プライム
45,740
9/4 15:00
-1,240(-2.64%)
時価総額 14,555,429百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業を成長の柱として位置付け。LifeWearの浸透や出店加速で北米、欧州は顧客層が拡大。 記:2024/05/10